2017年2月19日日曜日

月刊誌『現代ギター』1981年12月号<特集・幻の巨匠バリオス>


パラグアイ出身のギタリスト、アグスティン・バリオス=マンゴレAgustin Barrios Mangore, 1885年5月5日~1944年8月7日)は多くのクラシックギターの名曲を書き残した天才作曲家でありながら、長い間正当に評価されず、死後30年以上経ってから漸く世界的に評価されるようになりました。この謎めいた天才、アグスティン・バリオスは私の興味と探求心の対象となりました。(→2017年2月17日付記事「長い間評価されなかった天才作曲家、バリオス」をご参照。)

そして、私は時間のある時などにバリオスに関する資料を探し、調べるようになりました。しかし、私が調べた範囲ではバリオスの評伝や伝記本は日本語では一冊も出版されていません。スペイン語では3冊は出版されていますが、私はスペイン語は分かりません。英語では「Six Silver Moonbeams: The Life and Times of Agustin Barrios Mangoré(Richard D. Stover 著、1992年)がありますが、既に絶版です。当時Amazonで探した時には中古本は25,000円以上もするので、すぐには買う気にはなれませんでした。


現代ギター81年12月号・表紙 by Poran111

そうしているうちに、SNS上のギター愛好家の書き込みにより、月刊誌「現代ギター」1981年12月号に『幻の巨匠バリオス』と題する特集記事があったことを知りました。
早速、出版元の現代ギター社にメールで問い合わせたところ、直ぐに返事をいただき、「この号は絶版で、現代ギター社にも今はないが、国立国会図書館には月刊『現代ギター』が過去のものも含めて所蔵されているはずだ」との回答を得ました。
もう3年以上前の話ではありますが、私は2013年12月に国立国会図書館を訪ね「現代ギター」1981年12月号を見つけることができ、この特集記事のコピーを取りました。

現代ギター81年12月号・目次 by Poran111

この特集はシーラ・ゴドイ氏及びヘスス・ベニーテス氏へのインタビュー記事が柱になっています。

シーラ・ゴドイ氏(Sila Godoy、1919年~2014年)はパラグアイ生まれのギタリストで、両親がバリオス本人と親しい付き合いがあり、母の弾くバリオスの曲を子供の頃から聴いていました。彼は中南米各国、各地を回り、散逸していたバリオスの曲の蒐集に努め、100曲以上の曲を集めました。バリオスを現代に甦らせた最大の功労者と言えます。
Sila Godoy (b. 1921) by Poran111 シーラ・ゴドイ

ヘスス・ベニーテス氏(Jesus Benites、1932年~2007年)はペルー生れのギタリストで、メキシコを中心に活躍しました。バリオスに傾倒し、バリオスの楽譜を集め、編纂し、1970年代に『バリオス・マンゴレ・ギター作品集』3巻(最終的には全4巻)を全音楽譜出版社から出版しました。この作品集は世界的に見ても画期的なものとなりました。

バリオスをよく知るこの二人との対談記事は、35年後の今見ても、大変貴重な情報であり、資料です。この号は既に絶版で、手に入らないものであり、また、アグスティン・バリオスに関心のある人にとっては十分な価値のあるものと考えますので、下に全文を転載します。また、この特集記事の写真コピーも参考までにその下に添付します。

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《2017年2月20日追記:
本日、現代ギター社より流通の有無を問わずバックナンバー等、弊社の出版物・商品の権利は全て現代ギター社が保有しております。有償/無償に関わらず、弊社の許可なく公開することは認められません。」とのコメントをいただきましたので、上述の、この特集記事の転載は全て削除しました。》


2 件のコメント:

  1. 現代ギター社2017年2月20日 10:25

    『現代ギター』1981年12月号の公開を速やかに中止してください。流通の有無を問わずバックナンバー等、弊社の出版物・商品の権利は全て現代ギター社が保有しております。有償/無償に関わらず、弊社の許可なく公開することは認められません。

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    1. この特集記事は大変貴重で、得難いものだと考えたので、あえて一旦全文を掲載したのですが、現代ギター社のご主張は法律的に十分理解できるものです。特集記事を転載した部分は全て、直ちに削除しましたので、ご了解ください。

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