2010年5月31日月曜日

『戦後世界経済史』 猪木武徳著



私は遅読で、読書量は少ない方だと思いますが、久し振りにまともな本を読みました。


去年12月27日(日)付日本経済新聞に「エコノミストが選ぶ・経済図書ベスト10」という記事が載っていました。書評欄などでおなじみの経済学者、エコノミストら30人に2009年のお薦めの経済図書をあげてもらい、得点化してランキングにしたものです。1位になったのが猪木武徳著『戦後世界経済史 ~自由と平等の視点から』(中公新書)でした。

それで、私は興味を持って、この本を買いましたが、遅読のため先日ようやく読み終わりました。

本書は第二次世界大戦後から20世紀末までの半世紀余の世界経済の動きと変化を概観しています。また、最終章では2007年以降の今回の世界同時不況についてもふれています。

私は終戦直後の生まれのため、この本に描かれていることは、私が学生時代、そして会社に入ってビジネスの世界にいた間に体験したり、見たり、聞いたりしたことと多くが結びついています。そういう記憶を蘇らせながら読んで行くと、あたかも経済の大河ドラマを見ているような観がありました。
著者の分析、言及は米国、東西ヨーロッパ、アジアのみでなく、中南米、アフリカまでカバーしています。400頁弱の新書本の中で、壮大な経済史を分かり易く記述しています。該博の著者でなければ書けないものと思います。

私自身、日々報じられる経済事象やマーケットの動きに一喜一憂しがちですが、こういう本を読むと、それらは経済全体の大きな流れの中では一部のものに過ぎず、中長期的なスパンの中で、ある程度軸足を定めて観て行かなければならないと、今更ながら感じます。

ところで、こういう本を読んで、今の日本の政治状況を考えると愕然とします。今の政権与党の中で、中長期的視点でグローバルな観点から日本の経済政策を考えている政治家が何人いるのでしょうか? 今の与党は、郵政民営化逆戻り法案やばらまきの子供手当など、経済政策としてはやってはいけないことばかりをやっています。つまり、自分達の選挙対策で(もっと言えば、自分達の選挙ゲームで)で政策を考えているだけです。グローバル化する世界経済の流れの中で、中長期的視点で日本の経済をどうするかというビジョンや発想は国家の運営をあずかる人達には必要不可欠なものです。

それでなくても、長期的人口減少などにより、日本経済は将来むずかしい状況になってくると考えられますが、今のような与党の経済政策がもし今後も続けられるのなら、日本経済の衰退を加速させ、特に私の子供や孫の世代にとっては相当厳しい経済状況になって来るだろうと危惧します。

2010年5月28日金曜日

新CD「渡辺範彦/パリ・ライヴ録音集」

2月10日~12日の記事でも書きましたが、2004年に56歳の若さで亡くなったギタリスト、渡辺範彦氏は1969年「パリ国際ギターコンクール」で日本人として初めて優勝し、天才肌の人と言われ、現在、私の好きなクラシック・ギタリストの一人でもあります。

しかし、彼の演奏で録音され残されているものは少ないです。ところが、先月23日に、パリ国際ギターコンクールでの優勝演奏を含むライヴ録音のCD『渡辺範彦/パリ・ライヴ録音集~コンクール&リサイタル:1969、70&76』が発売されました。私は発売元の山野楽器に注文し、早速ネット通販で購入しました。

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このCDには、1969年の第11回パリ国際ギターコンクール本選の録音(下の1~4)、1970年に国際ギター・フェスティヴァルに招かれた折のライヴ録音(下の12)、1976年の第18回パリ国際ギターコンクールでの客演演奏(下の5~11)が集められています。

『渡辺範彦/パリ・ライヴ録音集 ~ コンクール&リサイタル:1969,70&76』
   1  幻想曲 (4:03)                            ~ ジョン・ダウランド (1563~1626) 
  2 
ソナタ 第3番より 第2楽章 ニ短調 アンダンテ「シャンソン」 (3:52)
                             ~ マヌエル・ポンセ (1882~1948) 
  3 
ソナタ 第3番より 第3楽章 ニ長調 アレグロ・ノン・トロッポ (5:20)
  4 
マズルカ (5:27)          ~ アレクサンドル・タンスマン
(1897~1986)
  5 
パイパー船長のガリアード P.19 (2:22)  ~ ジョン・ダウランド (1563~1626) 

  6 
メランコリー・ガリアード P.25 (2:32)      ~   同上  
  7  ハンソン夫人のパフ P.54 (1:33)          ~   同上 
  8
 組曲「カヴァティーナ」 1.前奏曲 (3:00) ~ アレクサンドル・タンスマン
  9 組曲「カヴァティーナ」  2.サラバンド (2:50)
  10 組曲「カヴァティーナ」 3.スケルツィーノ (2:29)
  11
 組曲「カヴァティーナ」 4.舟歌
(2:52)
  12 
組曲第4番 ホ長調 BWV.1006aより    ~ J.S.バッハ (1685~1750) 
   第1曲 前奏曲 (4:18)
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今回のCDはご遺族の強い願いによって実現したものだそうです。CDのジャケットの中で、家族の言葉として次のように述べられています(下の写真)。

 CD発売への思い>
・・・(他界して間もなくの) 2004年春、家族は範彦にゆかりのあるフランスの都市を訪ねました。パリでは「第11回パリ国際ギター・コンクール」(1969年)が行われたラジオ・フランス(旧フランス国営放送)を訪ね、コンクール会場であった『メシアン・ホール』を見学しました。そのとき対応してくれた女性職員の素晴らしい機転により、優勝を飾った範彦の演奏録音に出会うこととなりました。この信じられないような巡り合わせに、家族は驚きと感動を覚えました。そしてその演奏を初めて聴いて心に浮かんだ言葉は、純粋、無垢の他にありませんでした。パリの舞台でひと際輝いた22歳の演奏を残しておきたいと思い、家族の中でメモリアルCD発売への夢が膨らみました。 ・・・・・ 
        2010年2月   渡邊悦子、史彦、恵美理  」  

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第11回パリ国際ギターコンクール本選の録音(上の1~4)はモノラルで音質はイマイチですが、CD化を目的として録音したものではなかっただろうことを考えれば、止むを得ません。しかし、パリ・コンクール史上初の審査員全員一致での圧倒的優勝となったその演奏の内容は十分分かります。1976年第18回パリ国際ギターコンクールでの客演演奏の録音(上の5~11)は音質も良く、渡辺氏の演奏の味がよく楽しめます。

今回のライヴ録音のCDも私は繰り返し聴いていますが、渡辺氏の演奏にはいつも気品があり、かぐわしい香りが漂っています。

2010年5月24日月曜日

稲垣稔・伊藤正己 ギター・ジョイントリサイタル

5月21日(金)はあずみ野コンサートホールで「稲垣稔・伊藤正己 ギター・ジョイントコンサート」があったので、安曇野に出掛けました。ちょうど良い機会なので、家内が見てみたいと言う「安曇野ちひろ美術館」に寄り、また、道の駅・堀金の「ほりがね物産センター」も覗いてみることにしました。

image from www.flickr.com                          ほりがね物産センター@安曇野 2010年5月21日

午後一番で山荘を車で出て、諏訪インターから豊科インターまで高速を走り、1時間20分で安曇野市内の道の駅「ほりがね物産センター」に着きました。
image from www.flickr.com                                 ねぎ唐がらし/安曇野産 2010年5月

道の駅で産地直送で人気のある物を買おうと思ったら矢張り朝の内に行くべきです。午後2時半頃着いたら、売り切れになって空になっているケースが幾つかありました。
それでも、「ねぎ唐がらし」、「切干大根のおやき」などを買いました。
image from www.flickr.com                                 切干大根のおやき@安曇野 2010年5月

「ねぎ唐がらし」はご飯の上に乗せて食べても美味しかったし、色々なおかずの味付けにもなりました。
おやきは切干大根がしっかり詰まっていてヴォリューム十分でした。

その後は、安曇野ののどかな田園風景の中を車を30分程走らせて、「安曇野ちひろ美術館」に行きました。(詳しくは「いわさきちひろ」の美術館(安曇野) by Charan をご参照ください。)
image from www.flickr.com                安曇野ちひろ美術館・外観 2010年5月21日

美術館の後は、前もってネットで調べて見つけた郷土料理店「ふくらい家・笑福」に向かいました。   
image from www.flickr.com                         ふくらい家・笑福 2010年5月21日

この店は古民家を使った大きな建物でした。ここで「安曇野定食」を注文しました。 
image from www.flickr.com                         安曇野定食B@笑福 2010年5月21日

この定食の中で特徴のある品は「信州サーモン」(写真の真ん中)と「煮いかのわさび和え」(その上の品)です。
信州サーモンは虹鱒とブラウントラウト(鮭)の交配種で、信州独自の新品種だそうです。脂が乗って、とろっとした味わいで、美味しかったです。
また、(「煮いかのわさび和え」は蒸したいかをわさび漬けで和えたものですが、安曇野産のわさびがピリッと味を引き締めて、お酒のつまみにもぴったりの感じでした。
image from www.flickr.com                あずみ野コンサートホール 2010年5月21日

「ふくらい家笑福」からあづみ野コンサートホールまでは車で10分でした。あずみ野コンサートホールは市街地からは外れた所にあり、前には水田が広がっていて、休憩時間に外に出ると、蛙の大合唱が聞こえました。 
image from www.flickr.com                           あずみ野コンサートホール内部 2010年5月21日     

ホールは100席程度のこじんまりしたものですが、音量が小さいクラシックギターのリサイタルにはこの程度の大きさは手頃です。


この日は地元のギタリスト・伊藤正己氏と兵庫県明石市在住のギタリスト・稲垣稔氏のジョイントコンサートでした。
稲垣氏は私の好きなクラシック・ギタリストの一人であり、また、現在私の「師匠」でもあります。稲垣氏は毎月1回、新宿の「絃楽器のイグチ」来て、個人レッスンを行っていますが、私は数カ月に1回そこに行って、レッスンを受けています。
もっとも、去年から私は蓼科にほぼ定住になってしまったので、なかなか稲垣さんとの日程が合わず、最後にレッスンを受けたのは去年の10月です。
image from www.flickr.com                伊藤氏(左)&稲垣氏(右)/二重奏演奏前

この日の演奏曲目は下記の通りでした。 

[演奏曲目]
Ⅰ部
<ギター二重奏>  
*フラットパヴァーヌとガリアルド     J. ジョンソン作曲
*フランス組曲第3番 ロ短調      J. S. バッハ作曲   
<伊藤正己氏独奏> (19世紀ギター使用)
*組曲ニ短調                ド・ビゼー作曲
*エル・デリリオ               A. カーノ作曲

Ⅱ部
<稲垣稔氏独奏>  
*アディオス・ノニーノ           A. ピアソラ作曲
*プレリュードとダンサ           J.オルボン作曲
*3つのメキシコ民謡           M. ポンセ作曲
     小鳥飼いの娘
     しおれた心
     ラ・アデリータ
<ギター二重奏>
*ランクラージュマン 「第一嬉遊曲」   F.ソル作曲
*ニュー・シネマ・パラダイス        E.モリコーネ作曲
(アンコール ~ 二重奏)
*オデオン                  エルネスト・ナザル作曲
*月光  (デ・ラ・マサ編曲)        F.ソル作曲       
image from www.flickr.com                調弦中の稲垣稔氏 2010年5月21日

稲垣氏の演奏は、相変わらず綺麗な音色で、正確で安定したテクニックを持ち、そして豊かな情感があって、今回も楽しませていただきました。 

image from www.flickr.com                              奥安曇野名物・若笹寿し 2010年5月21日

帰りに中央高速・諏訪湖サービスエリアに寄って、夜食用に「奥安曇野名物・若笹寿し」(わかさずし)を買いました。
これは、安曇野地方の人達が保存食として、この地の山菜、川魚などを具としてご飯に乗せて、若笹で包んだものだそうです。
あまり期待しないで買ってきたのですが、家に帰って、ビールを飲みながら食べたら、意外と美味しかったです。

2010年5月23日日曜日

ギター二重奏



今日、ご「近所」のスズムシ さんに山荘にお越しいただき、離れでギター二重奏などの練習をしました。


二人で弾いてみた二重奏は下記の5曲です。あまり練習しないでも、すぐに合わせられそうな曲を選びました。その内、「アニー・ローリー」を試しに録音してみましたので、下に添付します。


二重奏の他に、お互いが練習中のソロ曲を弾いたり、また、ギター談議にも花が咲きました。


スズムシさんには雨の中を来訪いただきましたが、私としては充実した一時を過ごすことができました。

*フェルナンド・ソル作曲  「月光」              デ・ラ・マサ編曲
*Lady John Scott 作曲 「アニー・ローリー」 小胎剛編曲
*さだ まさし作曲     「北の国から」      スズムシさん編曲
*窪田聡作曲        「かあさんの歌」    スズムシさん編曲
*久石譲作曲            「さんぽ」        スズムシさん編曲

2010年5月19日水曜日

久し振りの人前での演奏



5月15日(土)に用事があったので、東京の家に帰りましたが、折角のついでなので、16日(日)夜、国分寺のライブハウス「クラスが」に行って、「フリーコンサート」に久し振りに参加しました。


クラスタ」ではアマチュアがギターを弾ける色々な催しが行われていますが、毎月第三日曜日に行われる、この「フリーコンサート」の時の演奏がプレッシャーが一番強いと私は思っています。


「フリーコンサート」では、前もって申込みしてあった人、15人程が持ち時間15分で順番にギターソロを弾きますが、参加者にはセミプロ級の人やマニアックな人達が毎回かなりの人数参加します。基本的にはアマチュアなので、どの程度のレベルの人が何を弾こうが自由なのですが、15人前後の聴いている人達は、皆さんギターを聴き慣れ、見慣れている人達ばかりなので自分が弾く時のプレッシャーは強烈になります。


この日私の番が来て、1曲目は自分としては弾きなれている曲を弾いたのですが、弾き始めると、手がこわばっていて、左手の指は弦をうまく押さえられず、右手の指は弦をうまくはじけず、自分が「クラスタ」で弾き始めた初期の頃に戻った感じで、メタメタでした。最後の5曲目になって、ようやく自分の普通に近い状態に戻ってきた感じでしたが、その時には15分の持ち時間はもう終わってしまいました。

ただ、久し振りに面識のある常連の人達とお会いできたのは良かったです。

しかし、蓼科の山の中で鹿や狐を相手にしてギターを弾いていても駄目だなあ、と思いました。毎月は無理だとしても、2カ月に一度位はこういうような所で人前に出て弾く練習をしないと、慣れてこないし、人前では弾けなくなってしまうと言うことを再び思って、帰って来ました。

2010年5月14日金曜日

蓼科の山桜



標高1,200mの地にある聖光寺(しょうこうじ)の300本のソメイヨシノもとうとう散りましたが、今度は蓼科のここ、標高1,600m辺りの山桜が満開になりつつあります。

image from www.flickr.com                           別荘地の山桜 2010年5月14日朝

今朝もランディと別荘地内を散歩しましたが、今、山桜があちこちで見頃になってきました。 
 image from www.flickr.com                山桜 up @蓼科 2010年5月14日朝


里桜のソメイヨシノは花が咲いた後から葉が出てきますが、山桜(ヤマザクラ )は葉と花がほとんど同時に開きます。また、山桜の幼葉は赤みがかっているのも特徴です。


華やかなソメイヨシノに比べると、山桜の花は小粒で、端正で、清楚な感じが良いです。

2010年5月13日木曜日

御柱祭(6)/下社春宮の建御柱



信州・諏訪大社の御柱祭はいよいよ最後の段階でした。


下社の8本の御柱は4月9日(金)~11日(日)の3日間に山出し、木落しを経て、 曳航され、注連掛(しめかけ)に安置されていましたが、これらは5月8日(土)~10日(月)の3日間に「里曳き」が行われ、下社・春宮と秋宮に4本ずつが運ばれて、境内に建てられる「建御柱」(たておんばしら)によって、フィナーレとなりました。しかし、ここで悲劇が起きました。


5月8日(土)に家内と二人で下社春宮の建御柱を見に行きました。岡谷市柴宮のスーパー「オギノ」に車で行き、お弁当や飲み物を買って、そこに車を置いて、約2kmを歩いて、春宮に向かいました。 
image from www.flickr.com                         下社春宮の拝殿 2010年5月8日12:10

下社春宮に11時頃着くと、ちょうど一本目の春宮一の御柱のミニ木落しが行われる時でした。春宮の境内の横には坂があり、上の道路からこの坂を伝って御柱を落し、境内に運び込みます。もう見物客で一杯でしたので、我々は境内の外側からこのミニ木落しを見ました。
image from www.flickr.com                下社・春宮一の御柱のミニ木落し 2010.5.8.12:26

木落しが終わると、出る人など見物客の動きがあったので、その間に我々は境内の中に入り、人の間を縫って、前に進みました。 一般見物客の入られる一番前方である、神楽殿の前に場所を取ることができました。
image from www.flickr.com                御柱を運ぶ/下社春宮 2010年5月8日12:39

その後、春宮一の御柱は拝殿右前の、御柱を建てる場所まで運ばれました(上の写真)。 
神主によるお祓いの後、御柱の先端を三角錐状に削り取る「冠落し」(かんむりおとし)が始まりました(下の動画)。 

下社春宮一・建御柱/冠落し 2010年5月8日13:52

氏子が交替で斧で削って行きますが、これには随分時間がかかり、切り落としが完了したのは午後4時近かったです。

そして、御柱がワイヤーで少し持ち上げられると、柱に乗る10数人の氏子たちが自分で柱にロープを巻き、自分の足場となる板を柱に縛り付けました(下の写真。) 
image from www.flickr.com                       冠落しした御柱に縄を結び付ける 2010年5月8日15:57

4時を過ぎて、漸く御柱は引き上げられ始めました。木遣やラッパの音頭と共に少しずつゆっくり時間をかけて上がって行きます。


(以下の写真と動画は、同様のものが既にテレビや新聞で繰り返し流されていますので、掲載することにしました。) 
image from www.flickr.com                春宮一御柱・半分程建ち上がる 2010年5月8日16:42

御柱に乗っている10数人の氏子たちは全員、命綱(安全ベルト)を付けていませんでした。 


下社春宮・建御柱/高く建ち上がる 2010年5月8日16:48

この御柱は長さ17m、直径1m。御柱が高く上がっても、氏子たちは安全ベルトは付けず、どこにもつかまらず、柱の上に乗って、黄色い「御幣」(おんべ)を振っていましたので、 見ている方がハラハラしました。
image from www.flickr.com                      約80度まで建ち上がった御柱 2010年5月8日17:00

自分のデジカメの記録を見ると午後5時3分でした。もうすぐ直立に建ち上がると思われた頃、突然一番上の氏子が落ちました。二番目、三番目の氏子が続いて落ちました。私は耳が良くないので気がつきませんでしたが、家内は直前にプツンとワイヤか何かが切れる音がしたと言っていました。


下社・春宮一の建御柱/約80度に建ち上がる 2010年5月8日17:01

報道によると、一番上と三番目の氏子が亡くなりました。二番目の人は落ちる途中ロープにつかまったため、軽症ですんだとのことです。原因は矢張り、一本のワイヤが突然切れて、御柱が揺れて、振り落とされたのでした。


これ以上のことは痛ましくて、書く気になれません。



見ている者にとってもショックでした。3人が落ちて行く様子と、その直後、私の2m位前にいた、息子さんと思われる小学生の男の子が大きな声で泣き続けていた光景は今も私の脳裏を離れません。


亡くなったお二人の冥福をお祈りいたします。

2010年5月10日月曜日

今年の畑仕事の開始



4月は寒い日が多かったのですが、ゴールデン・ウィーク後半から急に暖かくなり、標高1,100mの私の畑でもようやく今年の畑仕事が始まりました。 


5月6日(木)に最初の作業、ジャガイモを植えるための畝作りをしました(下の写真~手前の区画が私の畑)。 今日、10日(月)には2種類のジャガイモ、「レッドムーン」と「インカの目覚め」の種イモの植え付けをしました。
image from www.flickr.com             私の畑/手前 2010年5月6日

畑の広さは、去年と同じ108平米(32.7坪)です。

私の借りている畑は「めぐみファーム」と言って、1区画54平米(16.4坪)で、今年は全部で29区画用意されました。私はその内、2区画を借りています。


「めぐみファーム」は借りているメンバーのボランティアで運営される部分が色々あります。


先月、4月14日(水)には私も含め、有志9人で縄を引いて、29区画の区画割り作業をしました。借り手メンバーには今年初めて野菜作りをする人もいれば、ベテランの方など多彩で、そういう方々と情報交換もできるので、便利です。


image from www.flickr.com          めぐみファーム@蓼科高原 2010年5月6日

2010年5月9日日曜日

蓼科湖と聖光寺の桜



標高1,230mにある蓼科湖の、ビーナスラインを挟んで向かい側に聖光寺(しょうこうじ)があります。ここの桜は本州で一番最後に咲く桜と言われています。

image from www.flickr.com          蓼科湖畔の桜 2010年5月5日


例年はゴールデン・ウイークの前半に満開になりますが、今年は4月に気温の低い日が多かった影響で、ゴールデン・ウィークの最後になって漸く満開に近づきました。


image from www.flickr.com             蓼科湖畔のランディ 2010年5月5日


5月5日(水)はランディを連れて、蓼科湖と聖光寺に花見がてら散歩に行きました。ランディが花見をするのは今年初めてです。この日はまだ7分咲き位の感じでした。 


image from www.flickr.com         蓼科湖の水芭蕉 2010年5月5日


蓼科湖の東岸には水芭蕉の自生している所があります。ここの水芭蕉の見頃は4月下旬なので、もう終わりかかっていましたが、まだ遅いものが少し咲いていました。


image from www.flickr.com          蓼科 聖光寺の桜 2010年5月6日


その翌日の6日(木)に、今年初めての畑作業に行った帰りに、また聖光寺に寄ってみました。桜はやっと満開という感じになりました。
 

2010年5月8日土曜日

長野市での「フォト・コンサート」

ご近所のスズムシさんから先日、長野市内での「フォト・コンサート」についてお知らせいただき、5月4日(火)にこれを聴くため、家内と車で長野市に出掛けました。 
4日は茅野市では御柱祭の上社・里曳きが行われていて、茅野市内は大渋滞になっていると考えられたので、これを避けて、諏訪南インターから 中央高速に乗りました。長野自動車道、上信越自動車道を通って、長野駅前中心街には2時間ちょっとで着きました。

image from www.flickr.com                 善光寺花回廊@中央通り 2010年5月4日

「フォト・コンサート」が行われる会場は、長野駅から善光寺駅に通じる「中央通り」沿いにある朝陽館・ギャラリー「蔵」です。
ちょうど2日(日)~4日(火)まで中央通りでは「善光寺花回廊」と言うフラワー・コンテストが行われていて、たくさんの花が彩り豊かに飾られていました。  


image from www.flickr.com                          蕎麦店「増八」と長野市中央通り

前日、ネットで調べたところ、この近くに評判の良さそうな蕎麦店「増八」があったので、有料駐車場に車を入れた後、ここで昼食を食べて、会場のギャラリー「蔵」に向かいました。


会場に着くと、スズムシさんと久し振りにお会いでき、お話ししました

image from www.flickr.com                 朝陽館 ギャラリー「蔵」 2010年5月4日

「フォト・コンサート」はスズムシさんの知人のお二人が、5月3日(月)~5日(水)の3日間、写真の展示会兼クラシックギター・コンサートを行ったものですが、4日(火)だけ、師匠のプロギタリスト、岩村通康氏の特別無料演奏会が行われました。


開演の2時になった時には、既に満席で、立ち見の人もいました。

image from www.flickr.com                       演奏する岩村通康氏@ギャラリー「蔵」 10年5月4日

演奏曲目は次の6曲でした。
*タレガ作曲     「アラビア風奇想曲」
*ブローウェル作曲 「ゆりかごの歌」
*    〃      「魅惑の瞳」
*モンボウ作曲    「歌と舞曲」
*アルベニス作曲  「マジョルカ」
*グラナドス作曲   「スペイン舞曲第5番」

岩村氏は曲の解説やスペインのお話などを交えながら演奏され、蔵を改造したコンサート会場は味のある雰囲気があって、大きさも手ごろで、楽しめました。


コンサートの後は、家内が見たいと言っていた、長野インター近くにある池田満寿夫美術館に寄りました。(詳しくは池田満寿夫美術館by Charanをご参照ください。)


帰りは、夕方5時頃長野インターから高速に乗ったところ、長野自動車道・松本方面が込み合っているように見えたので、急遽、更埴ジャンクションから佐久・藤岡方面に入り、山越えで帰ることにしました。上田菅平インターで高速を下りて、152号線・大門街道を通って、白樺湖横を抜けて山荘に戻りました。渋滞は一切なく、長野インターから1時間40分で帰って来ましたから、このルートは正解でした。

2010年5月6日木曜日

御柱祭(5)/上社の里曳きと建御柱




信州・諏訪大社・上社の8本の御柱は4月2日(金)~4日(日)の3日間に「山出し」が行われ、木落し川越しを経て、 曳航されて安国寺の御柱屋敷まで曳いて行かれ、安置されました。 


1ヵ月を経て、ゴールデンウィーク中に上社「里曳き」が行われました。5月2日(日)~4日(火)の3日間で、8本の御柱は御柱屋敷を出発して、曳航され、上社・前宮と本宮に4本ずつが運ばれ、神社境内に建てる「建御柱」(たておんばしら)が行われます。

image from www.flickr.com         御柱祭・上社の里曳き 2010年5月3日

我々は5月3日(月)の「里曳き」と前宮での「建御柱」を見に行きました。午前中に車で出掛け、ビーナスラインのあけぼの隧道近くの西友の駐車場に車を停め、そこでお弁当を買って、歩いて「里曳き」の行われる岡谷茅野線に向かいました。その道路に入ると、早速、里曳き中の本宮四の御柱に追い付きました。
御柱祭・上社の里曳き 2010年5月3日

ゆっくりと曳航される華やかな御柱としばらく一緒に歩いて、見物しました。お昼頃になり、近くに、私の住んでいる別荘地の用意している桟敷席を見つけることができました。そこに上がって、買ってあったお弁当を食べて、一服しました。

image from www.flickr.com            御柱祭の桟敷席/上社里曳き 2010年5月3日

桟敷席では真澄の枡酒が振舞われました。私も一枡いただいて、お祭りの気分を味わいました。 


image from www.flickr.com               御柱祭の枡酒/上社・里曳きの桟敷席にて


 昼食後は、午後1時からの「建御柱」を見るために、歩いて上社前宮に行きました。

image from www.flickr.com         諏訪大社・上社の前宮 2010年5月3日

大混雑の中、神社境内の「建御柱」の行われる場所に1時ちょっと前に着きましたが、足の踏み場もない状況。脇の方ですが、何とか見られる場所に入り込みました。
上社前宮・建御柱/立上げ途中 2010年5月3日

御柱の上には大勢の氏子が乗り、木遣や進軍ラッパ、掛け声に合わせて、ワイヤーとロープを使って、ゆっくりゆっくりとと少しずつ引き上げられて行きました

image from www.flickr.com         上社前宮・建御柱/立上げ途中 2010年5月3日

御柱が垂直に立ち上がるまでには約1時間かかりました。大勢の氏子は御柱に乗ったまま、垂直になってもぶら下がっています。

image from www.flickr.com             上社前宮・立ち上がった御柱(建御柱)

御柱は長さ約17m、重さ10トンを超えていますから、これを人力でロープをひいて立ち上げるというこの催しも危険なものです。 先月には千曲市内の神社で行われた御柱祭の際に、約10mの御柱が倒れて、死亡事故が起きています。ここは総本社だけあって、御柱は千曲の2倍近い大きさですので、 見ていてハラハラします。
上社前宮・立上げられた御柱(建御柱)

この翌日に御柱の根元を大木槌で叩いて固める御柱固祭が行われ、柱の曳き建ては幕を閉じます。

2010年5月5日水曜日

「マカロカフェ・リストランテ」での夕食



ゴールデン・ウィーク中の4月29日(木)~5月2日(日)に長男の家族が山荘に遊びにきました。去年8月に生まれた孫娘は今回初めて蓼科にやって来ました。


それで、30日(金)晩は茅野市北山の露天風呂「石遊の湯」のちょっと手前にある、イタリア・レストランマハロカフェリストランテに皆で夕食を食べに行きました。 


「マハロカフェ」にはこれまで昼食に2回と、ディナー・コンサートに1回行きましたが、夕食を食べに行ったのはこれが初めてです。

image from www.flickr.com                クラムチャウダーや飲み物 2010年4月30日

まず、スープには「クラムチャウダー・スープ」と「具たくさんのスープ」をそれぞれが注文しました(上の写真)。
image from www.flickr.com                            シュリンプカクテル@マカロカフェ

料理は大人4人でシェアーして、いろいろな品を楽しむことにしました。 
最初は「シュリンプカクテル」です。


image from www.flickr.com                            チリポテト@マカロカフェ

次が「チリポテト」。たっぷりチーズのかかったアツアツのポテトです。
 image from www.flickr.com                               マカロカフェ特製ガーリック

それから、「Mahalo Cafe特製ガーリック」。こんがり焼かれたニンニクは柔らかくて、香ばしく、美味しかったです。これは一押しです。


image from www.flickr.com                              こだわり切りたてイタリア産プロシュート@マカロカフェ

「切りたてイタリア産プロシュート(生ハム)」。7kgほどの生ハムのブロックを切り分けて、スライスしたものとのことです。 


image from www.flickr.com                               ベーコンブロックのグリル@マカロカフェ

「ベーコンブロックのグリル」は逸品でした。蜂蜜とニンニクに漬け込まれた ベーコンブロックが黒胡椒をきかせて香ばしく焼かれていて、なかなかの味でした。
 image from www.flickr.com                                  気まぐれフォカッチャ@マカロカフェ

「気まぐれフォカッチャ」と言うホームメードのパンもいただきました。 オリーブオイルとバルサミコ酢をつけて食べました。
image from www.flickr.com                             なすとトマトのチーズ焼き@マカロカフェ

「なすとトマトのチーズ焼き」。ニンニクとアンチョビの風味をきかせています。

image from www.flickr.com                                ボッタルガのパスタ@マカロカフェ

パスタとしては、私は「ボッタルガのパスタ」をいただきました。イタリア・サルデーニャ産のカラスミを使ったもので、黄色い色をしています。黒い色のものとはまた違った良い味でした。 

image from www.flickr.com                               本日のパスタ/イカとトマトとドライオリーブ

他の人達は、「本日のパスタ」と「Mahalo Cafe特製カルボナーラ」を注文しました。「本日のパスタ」はイカ、トマトとドライオリーブのパスタでした。
どのパスタも良かったです。 

image from www.flickr.com                              マカロカフェ特製カルボナーラ

いろいろな品を楽しんで、これだけ食べると流石にお腹が一杯になりました。
値段はリーズナブルで、ここは私がリピートして行く気になるお店の一つです。