2012年12月11日火曜日

初めてのつけ爪

クラシックギターを弾く人にとって、ギターの弦をはじく右手の指の爪は「命」と言えます。なぜなら、爪の状態によってクラシックギターの音色は大きく変わってくるからです。
私は右手の人差し指、中指、薬指にはアロンアルファ「釣名人」(低粘度・多用途)を爪の先5mm位の幅で塗って、補強しています。生爪でギターを弾き、練習していると、爪が消耗して、欠けたり、割れたりしてくるからです。今までアロンアルファの他の種類も試しましたが、この「釣名人」がクラシックギターを弾く爪にとっては一番しっくりし、引き易いです。プロ・ギタリストでも「釣名人」を使っている人が多いようです。

アロンアルファ「釣名人」 2012年12月9日 by Poran111

ところで、12月8日(土)に第3回安曇野ギターコンサートに私は初参加し、演奏する予定でしたが、その前日の午後、薬指に塗ってあったアロンアルファ「釣名人」がだいぶ消耗してきていたので、塗り替えるために前に塗ってあったものを剥がそうとしていたところ、爪が割れてしまいました。
この程度で割れることは滅多になかったのですが、割れた理由としては、その時練習していた曲に薬指でアクセントを付けて強く弾く部分が何箇所かあったことと、自分の歳のため爪がもろくなってきていることがあります。

翌日には本番で弾かなければならず、生爪を修復している時間がないためやむを得ず、もしものことを考えて買い置きしてあったつけ爪を付けることにしました。
つけ爪を付けるのは全く初めてなので、うまくいくか不安ではありました。

福田進一氏を囲んで 2012年10月13日 by Poran111

しかし、今年10月にペンション「しなの家」での世界的ギタリスト・福田進一の泊まり込みギター・コンサートを聴きに行き、コンサート後の夕食懇親会の際に話した時に(上の写真)、福田さんは次のように言っていたことを思い出しました。

「自分は歳のせいで爪が弱くなってきているので、今は薬指のみをつけ爪にして弾いている。あのデイヴィッド・ラッセル(David Russell)も今は全部の指がつけ爪だ。つけ爪は荒井貿易のAriaが良い。」

そして、買い置きしてあったつけ爪セットを見たら、福田さんが良いと言っていた荒井貿易のAria(AN-40SET & AN-70)でした(下の写真)。あの「世界の福田」さんが使っているのだから、つけ爪の素材としては問題ないだろうと、ともかくつけ爪を貼って弾くことに賭けることにしました。

ARIAつけ爪セット 2012年12月9日 by Poran111
Ariaのつけ爪セット(AN-40SET)には7種類のサイズのつけ爪チップが入っていますので、自分の爪に合ったサイズを選び、両面接着テープ(AN-70SET)で生詰めの上に貼り付けます。つけ爪をハサミで大まかに切った後、ガラス・ヤスリで削って形を整えました。しかし、つけ爪と生爪の先の部分に隙間ができ、ギターを弾くときれいな音にならないため、つけ爪と生爪の隙間にアロンアルファ「釣名人」を流し込み、固めました。安曇野ギターコンサートの当日朝、会場に行ってリハーサル前に弾いてみると少し硬い音になっているため、爪の裏側にかけてガラス・ヤスリで少し削って、調整しました。これで、ようやく生爪に近い音になり、安心しました。

右手薬指のつけ爪 2012年12月7日 by Poran111

そして、コンサートの本番ではつけ爪であることをあまり気にせず弾くことができ、十分な音量が出せました。Ariaのつけ爪は十分使えました。

穂高交流学習センター「みらい」 2012年12月8日 by Poran111

ところで、この日安曇野市穂高交流学習センター「みらい」内、多目的交流ホールで行われた第3回安曇野ギターコンサートには私を含めて8人のアマチュアがクラシックギターを弾きました。

第3回安曇野ギターコンサートでの演奏/遠景 2012年12月8日 by Poran111

そして、最後にはゲストとして、長野市在住のプロギタリスト、岩村通康氏による演奏があり、次の4曲を弾かれました。
  *見岳章作曲(福田進一編曲)     川の流れのように
  *I. アルベニス作曲            マジョルカ
  *E. グラナドス作曲            スペイン舞曲第5番
  *(アンコール)L. ブローウェル作曲   11月のある日

表情豊かで、メリハリがあり、また丁寧な演奏で、参考になり、楽しませていただきました。

岩村通康氏ソロ演奏 2012年12月8日 by Poran111

このコンサートには主催者のMさんからお誘いいただき、初めての場と言うのはちょっと心配ではありましたが、何事も経験と思って参加させていただきました。
コンサート終了後は、参加者全員で近くの「デニーズ」に行き、お茶を飲んで懇談。実力あふれる他の人達の演奏を聴き、刺激をたくさんもらい、また色々お話ができ、楽しいひと時となりました。また、きちんとしたステージの付いたホールで演奏することは私はあまりないので、そういう点でも自分にとって勉強になったと思います。企画、運営された主催者のMさんには感謝します。

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