5月20日(金)に塩尻市の奈良井宿に家内と行ってみました。
奈良井宿はNHK朝の連続テレビ小説「 おひさま」の撮影が行われた場所でもあります。
朝、車で山荘を出て、高速に乗り、長野道の塩尻ICを降りて約30分で奈良井宿に着きました。我が家からは正味1時間20分でした。
奈良井宿は日本最長の宿場町であり、中山道沿いに南北約1kmあって、街道にそって南側(名古屋側)から上町、中町、下町の三町に分かれています。町の南端に、奈良井宿の鎮守、鎮神社(しずめじんじゃ)がありました(上の写真)。鎮神社は12世紀後期に中原兼遠が鳥居峠に建立し、16世紀後期に奈良井義高公が現在地に移したと伝えられています。
我々は奈良井宿を南から北に歩きました。
連続テレビ小説「おひさま」は安曇野が舞台で、安曇野市の田園地帯や大王わさび農場などでロケが行われましたが、町並みやそこでのストーリーはこの上町(かみまち)で撮影が行われました。上町の200mにわたって大掛かりなセットが組まれ、昭和初期の町並みが再現され、去年12月に1週間で集中的に撮影されたそうです。そのセットは撮影後2日間で撤去されてしまったので、今は元の宿場町の町並みがあるだけです(上の写真)。
下にテレビ小説の画面を転載します(NHKのHPより)。うまく町並みを作るものです。
(アスファルトの地面に土を敷いたり、木製の電柱を建てたりして、商店街の町並みを再現しました。)
上の写真は漆櫛の問屋を営んでいた中村家の屋敷で、天保年間(1830~1843年)の建物です。テレビ小説ではこの建物の1階外側をはずし、ガラス窓を付けて、飴屋・村上堂にしています(下の写真=NHKのHPから転載)。
(江戸時代から何代も続いているという設定の「村上堂」。)
(奈良井宿を代表する旧家・中村邸(資料館)が村上堂の外観となっています。)
上町の元芦沢医院の前では出征兵士を見送る場面が撮影されました。
一観光客としては、せっかくロケのために作った昭和初期の町並みは撤去せずにそのまま残しておけば良いのにと思いますが、この町では実際に人々が毎日暮らしていますので、そういう訳には行かないようです。
その後、中町を歩き、大宝寺のマリヤ地蔵を見に行きました。大宝寺は天正10年(1582)に奈良井の領主、奈良井義高公が建てた寺で、その墓所が寺内にあります。
この寺の裏の墓地の横に置かれているマリヤ地蔵は、昭和の初めに住民によって近隣の藪の中から発見されました。昔、役人に発覚して、像の頭部も抱かれた子供も膝も破壊されたと言われています。わずかに、その胸に十字架が残っています。
文禄2年(1593)に飯田城主となった京極高知は熱心なキリシタン大名であり、自領内にキリスト教の布教を勧めたそうです。そのため、高遠、塩尻、伊那地区にはキリシタンが多かったようです。このマリヤ地蔵はこの地域での隠れキリシタンの状況を窺わせるものです。
なお、京極高知の兄、京極高次の妻が浅井三姉妹の次女、初(つまり、淀君の妹で江の姉)です。
それから、下町を歩き、その北端の八幡神社(はちまんじんじゃ)の横にある二百地蔵を見に行きました。
二百地蔵の前には中山道の杉並木が通っています。ここには直径50cm以上の巨木が17本並んでいて、江戸時代の旧街道の面影を残しています。
杉並木の前の地蔵堂には、明治期の国道開削・鉄道敷設の際に奈良井宿周辺から集められたと言う観音像が200体近く合わせ祀られています(下の写真)。
また、ここは、連続テレビ小説「おひさま」の中で主人公・陽子が友達と松本に行く時の待ち合わせ場所として撮影された所です。
お昼頃になったので、中町のそば処「相模屋」に入って、昼食を食べました。
私は麦とろろ御飯が付いた「そば定食」(1,500円)を、家内は「五平餅定食」(1,300円)を注文しました。
麦とろ御飯はしっかり量があり、観光地の蕎麦としてはまずまずの味でした。
昼食後、その近くにあった「てずから」でお土産におやきと五平餅を買いました。小さな店ですが、HNKや民放テレビで何度も取材されて、それなりに名の知れた店のようです。
冷凍で買ってきた野沢菜、切干大根、クルミ、あんこの4種類のおやきと五平餅を翌日、解凍して食べましたが、手作りらしい感じで、どれも美味しかったです。
「てずから」から南に中町をちょっと歩いていたら、おだんご屋がありました。蜜だんごや五平餅などを買って、その場で食べましたが、ここのも美味しかったです。
あとで写真(下)を見たら、このおだんご屋には看板が出ていません。もらってきた観光パンフレットを見ても、この店が載っていないため、店の名前が分かりません。新しく出来た店なのかもしれません。
奈良井宿で唯一の造り酒屋と言う、中町の杉の森酒造に行って、自分の土産用に清酒「杉の森」を1本買いました。
家に帰って、常温で飲みましたが、さらっとしていて飲みやすいお酒でした。
杉の森酒造の左隣(上の写真)には斉藤漆器店があり、自家製の漆器を売っていました。
見て、気に入ったので、縄目はし、木製のフリーカップと片口を買いました。
このフリーカップは焼酎のお湯割り用にするつもりです。
いずれも千円か千円もしない値段で、産地直販のためか、都会よりも安い感じがしました。
最後に奈良井川に架かる木曽の大橋を見ました。木曽の大橋は江戸時代のものではなく、現代のものですが、樹齢300年以上の総木曽ひのき造りで、日本有数の大きさを誇る太鼓橋だそうです。
帰りは高速道路を使わず、国道を走って帰ってきましたが、我が家まで1時間40分でした。
奈良井宿は大きな観光地ではありませんが、小さな見所がたくさんあり、なかなか楽しめました。
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