2月25日(金)は午後、東京に戻り、夜7時からのルーテル市ヶ谷センターでの「レオナルド・ブラーボ&稲垣稔 ジョイントギターコンサート」を聴きに行きました。
開場の6時半には入り口前に長い列ができていて、200席の会場は満席でした。お二人のファンが多いことが窺えました。
去年の8月に行われた蓼科高原ギターサマースクールにレオナルド・ブラーボ氏がゲスト講師として招かれ、その際の講師コンサートで稲垣稔氏とブラーボ氏の二重奏を私は聴きましたが、それは私が今まで生で聞いたギター・デュオの中で最も素晴らしいものでした。
ですから、今回正式にブラーボ氏 と稲垣氏のジョイントコンサートが行われると聞き、私は期待していました。
演奏曲目は下記の通りですが、Ⅰ部ではブラーボ氏と稲垣氏それぞれソロが演奏され、Ⅱ部でお二人のデュオが演奏されました。ブラーボ氏は独特のビブラートをきかせた甘い音色に、情感あふれる演奏。稲垣氏は表情豊かな美しい音色に、相変わらずの安定したテクニックです。
Ⅱ部のデュオはJ.S.バッハ(原曲A.ビバルディ)の協奏曲ニ長調(松本吉夫&稲垣稔編曲)で始まりました。お二人の美しい音色が交互に流れ出てきて、高度なテクニックに裏打ちされ、涙が出そうなくらい心に響いてきました。
ギター二重奏としてはイダ・プレスティ(1924~1967)とアレクサンドル・ラゴヤ(1929~2001)の夫婦デュオが有名ですが、私はプレスティとラゴヤのCDは持っていますが、生演奏は聴いたことがありません。
ブラーボ&稲垣・二重奏はプロの中でも素晴らしいものだと私には思えます。
アレクサンドル・ラゴヤは稲垣氏のパリ国立高等音楽院留学時代の恩師であり、今回稲垣氏はソロでA.ラゴヤ作曲の「レヴリ(夢)」を弾かれ、また、二重奏では、イダ・プレスティ作曲の「エチュード ファンタスク」を弾かれました。
ブラーボ氏と稲垣氏は、音の質は少しずつ違いますが、お二人とも美しい音を出され、また、魂のこもった演奏をするという点で共通していると私には思えます。それにお二人の個性が絡み合って、息の合った二重奏を作り出しています。
是非再演していただき、再びお二人のジョイントコンサートを聴きたいものです。
Ⅰ部 ソロ
*6つのパバーヌ L.ミラン
*「ブエノスアイレスの四季」より冬、春 A.ピアソラ
<稲垣稔>
*「中南米風前奏曲集」よりNo.3カンポ、N0.5タンボリーレス A.カルレバーロ
*レヴリ(夢) A.ラゴヤ
*プレリュードとダンザ J.オルボン
Ⅱ部 デュオ <L.ブラーボ&稲垣稔>
*協奏曲ニ長調 BWV972、 I.Allegro, II.Larghetto, III.Allegro J.S.バッハ(原曲 A.ビバルディ)
*イギリス組曲 No.2 op.77、 I.Cheerfully, II.Lyrical and smooth, III.Brightly J.W.デュアルテ
*ミラージュ op.110 F.クレンジャンス
*エチュード ファンタスク I.プレスティ
*ミロンガルガーダ M.コロネル
*シェルビータ コンパニェーラ M.コロネル
<アンコール>
*フルーク(帆掛け舟) F.クレンジャンス
*サランガ・デ・ヴォーヴォ(私のおじいちゃんのボロボロの車) セルソ・マシャード
*ミクロ・ペーサス第5番 L.ブローウェル