2007年11月29日木曜日

私の愛用のギター


写真は私の愛用のギターで、私が30歳の時(昭和52年3月)に購入したものです。


このギターは中出阪蔵氏による昭和51年(1976年)製作のものです(Model No.3000)。明治39年(1906年)生の中出阪蔵氏は当時日本のギター制作の第一人者と言われていました。素材としてスプルース、 ブラジル産ハカランダ(胴・裏板)などを使用しています。

このギターは私のクラシック・ギターとしては2台目です。1台目は私が大学1年の時(昭和40年)に買った「信濃」という銘柄のギターでした。

私は大学に入学し、すぐにギター部に入部して、クラシックギターの基本を勉強し始めました。その時使っていたものは、演歌の弾き語りに使うようなスチール弦を張っていたギターを、とりあえずナイロン弦に張り替えて、これを弾いていました。しかし、これでは話にならないので、大学1年の夏休みに1か月アルバイトをし、稼いだお金から12,000円をはたいて、その年9月に銀座の日本楽器(ヤマハ)に行って、「信濃」という銘柄のクラシックギターを買いました。昭和40年(1965年)当時の大学卒新入社員の初任給は20,000円程度と言われていますから、それほど安物というわけではありません。この「信濃」ギターは値段の割には良い音が出ると自分では思い、気に入っていました。

しかし、所詮高級ギターとは程遠いもので、一生使えるようなしっかりしたギターが欲しいと思っていました。そこで、30歳で“独身貴族”最後の頃、お小遣いも少しは貯まってきた時に、良いギターを買うことにしました。

いろいろ調べて、渋谷区千駄ヶ谷にある「エスペランサ」というギター卸の店に行きました(この店は今はなくなっているようです)。その店で在庫の手製クラシックギターを2時間近くいろいろ試し弾きさせてもらいました。弾いてみて中出阪蔵氏のギターが気に入りました。店には中出阪蔵氏製作のギターが3本ありましたが、中でも、このギターが音の出方のバランスが良いと感じたので、これ(写真のギター)に決めました。買った当時はギターの箱としてはあまり鳴りませんでした。30年経った今の方がギターとしては鳴るようになったと思います。一般的に手製のギターは作製直後よりも、時間をかけて弾き込まれた方が良く音が出るようになると言われています。

(「私の愛用のギター/その後」に続く。)

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