そうして、人前に出てギターを弾き始めたところ、弦を押さえる左手は震え、右手は硬直し、まともに弦をはじけず、全く音楽になりませんでした。私にとっては大きなショックでした。40年近く会社生活をやっている間にもこんなに緊張したことはありませんでした。こんな歳になって、うまく弾けても弾けなくても自分の収入が減る訳でもなんでもないのに、どうしてこんなにガチガチになってしまうのだろうかと思いました。その時は非常に悔しくて、これから練習して、必ずきちっと弾けるようになってやろうと思いました。
過去の記録を調べて、整理してみたところ、それ以来、今日までの2年ちょっとの間に、「クラスタ」で18回、松下ギタービルで3回、埼玉ギターコンクールで2回、私は人前でギター・ソロを弾いています。しかし、いまだに私は人前に出てソロを弾くと、家で練習している時の50%も弾けていません。せいぜい30%位でしょうか。
私は今さら、この歳になって、ギター演奏を人から褒めてもらおうかとか、評価してもらおうかとかは思いません。しかし、ギターを弾くことは自分の何かを表現することだと考えますから、演奏技術は拙劣であっても、自分の中のものを表したい、自分の思うところを表現したいと、そう思います。
それでは、あがりを克服する、あるいは、あがっていても、演奏で自分の思うところを表現するにはどうしたらいいのでしょうか?
(このテーマは続きます。)
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