私なりに考えると、クラシックギターの音色は次の要素によって決まると思われます。
(1)ギターそのもの(つまり、ハード)。
(2)張っている弦。
(3)弾く人の指の爪(その質、形、強度)。
(4)弾き方、つまり、左手の弦の押さえ方(バイブレーション、スラーなどの弾き方を含め)及び右手の指のタッチ(アルアイレ、アポヤンドなどの弾き方を含め)
これらの中で、一番簡単に変えられるものが(2)張っている弦です。他の要素は、その程度はありますが、変えるのは簡単ではありません。
月刊誌「現代ギター 09年4月号」には『特集 ナイロン弦大研究』が掲載されています(最初の2頁を下に添付)。なかなか興味深く、おもしろい内容です。
この特集記事によると、初めてギター用のナイロン弦が作られたのは50数年前、1950年代前半と言われています。それ以前はギターにもヴァイオリンと同様にガット弦が使用されていました。ガット弦は羊腸で作られていましたが、傷みが早く、寿命が短く、また高価で、ギタリストは苦労していたそうです。不世出の天才ギタリストで、誰も真似のできない美しい音色で演奏したアンドレス・セゴビア(1893~1987)も最初はガット弦を使っていました。
ギター製作家だったアルバート・オーガスチンがセゴビアの助言のもとでナイロン・ギター弦を研究し、完成したのが1954年(昭和29年)でした。
私が約25年間のブランクの後、数年前にクラシックギターの練習を再開してみると、世の中には沢山の種類のナイロン弦が出回っていました。練習再開後、現在出回っているいろいろな弦を張って、試してみました。その結果、私は現在は1~3弦にはオーガスチンのリーガル(紫)を、4~6弦にはオーガスチンの青ラベルを使っています。数十種類のナイロン弦が売られているようですので、私も全ての弦を試すことはできません。主なものではプロアルテはまだ試していません。また、最近はカーボン弦なるものも売られているそうです。しかし、Enriqueさんのブログ「クラシカル・ギターを止められない」の09年4月15日の記事「カーボン弦の正体など」によると、これはゴルフ・クラブなどに使われるカーボンとは違うもので、誤解を招くネーミングだとのことです。
また、『特集 ナイロン弦大研究』には、使用弦などについて村治佳織、福田進一、大萩康司などの人気ギタリストを含む14名のプロギタリストにアンケートを取った結果が掲載されています。それを見ると、使用している弦は殆ど全員がバラバラであることが面白いです。これはその人の使っているギターとの相性、弾き方や指のタッチ、音の好みなどによっていろいろ変わってくるものだと思います。因みに、村治奏一さんは私と同じオーガスチンの紫と青の組み合わせを使っていました。
P.3以下は雑誌「現代ギター 09年4月号」そのものをお読みください。
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