私はデジタル録音機、ローランド“EDIROL R-09”を持っていますので、たまに自分のギター練習の進捗状況を見るために、録音して自分の演奏の現状、問題点をチェックしています。しかし、それを保存して後で聴こうとか、どこかにアップしようという気にはなれませんでした。
その理由は、自分は30歳代の頃からギターを全く弾かないブランクの時期が25年間程あり、練習を再開した今も、未だに若い時の技術レベルに戻っていないからです。もう少し技術レベルが改善し、戻ってから録音保存しようと思っていましたが、最近はこのままでは何も録音記録できないまま歳をとって死んでしまうのではないかと言う気がしてきました。
そこで、定点観測のつもりで、練習過程の状況を所々で録音し、改善・向上したら後でまた録音し、差し替えればよいのではないかと言う気になってきました。
今回まず、2009年3月26日付ブログ記事で書いた、F.タレガ(又は、タルレガ)作曲「エンデチャ、オレムス」を録音してみました(エンデチャとは「哀歌」、オレムスは「祈り」の意味)。この曲は練習し始めてからもう1年半近くなるのですが、自分としては未だに仕上がった気になれず、忸怩たる思いがあります。
折角未完成のものを録音して聴いているので、併せて自分が好きなギタリストで、模範としたい演奏、この曲の場合は渡辺範彦氏の演奏も再度聴いてみました。私の演奏と渡辺氏の演奏を交互に何度も聴いていると、自分の演奏の足りないところ、欠点が明瞭になり、痛いほど良く分かります。
私の演奏は特に後半「オレムス」が未成熟です。高音部の音が切れ切れになりがちで、音色もきれいに出ていません。渡辺氏の演奏は音が流れるように綺麗につながっていて、素晴らしい演奏です。これは私の演奏技術が不十分だということですので、練習するしかありません。
また、渡辺氏の演奏は音の出方、響き方が全然違います。これは超一流の証でしょう。
こうして両方を繰り返し聴いていると、今は亡き、天才的ギタリスト渡辺氏から個人レッスンを授けてもらっているような気に勝手になってきます。これはレッスン料のかからない良い練習方法だと気がつきました。
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